HIV検査について
HIV検査は、AIDS(acquired immunodeficiency syndrome, 後天性免疫不全症候群)の原因である「HIVウイルス」が体内に感染しているかを調べる検査です。
HIVに感染すると身体のなかでHIVウイルスが増殖し、その後HIVウイルスに対する「抗体」が生成されます。
一般的な「HIV検査」とは、体内にこのウイルス(抗原)や抗体があるかを調べる検査を指すことが多いです。
しかしウイルスや抗体は、感染してから検査で検出できるようになるまでにある程度の期間(ウインドウピリオド)が必要とされています。
感染機会から検査までの日数が短いと、実際は感染しているのにも関わらず「陰性」となってしまう可能性があります。
そこで近年では早期発見のため、前述よりも短い期間でウイルス遺伝子の有無を調べる「核酸増幅検査(NAT検査)」を行う医療機関が増えつつあります。
【ウインドウピリオドについて】
HIVのウイルスや抗体を調べるスクリーニング検査ですが、これを検出できるようになるまでの期間を「ウインドウピリオド」といいます。
HIVに感染した場合、感染機会から約4週間ほどでHIVに対する抗体が検出されるようになります。
つまり、感染機会から4週間以内に抗体検査を受けた場合は、実際に感染していても陰性となる可能性があります。但し、あおぞら研究所では感染機会から3ヶ月以上経過してからの検査をお勧めしています。3ヶ月以上経過して陰性であれば陰性が確定します。
一方で、確認検査に用いられることの多い「核酸増幅法」では、感染機会から約2週間ほどでHIV-1型の遺伝子が検出できるようになるため、早期発見・早期治療に繋がります。
【どんな時に検査を受けたら良いか】
HIVの主な感染経路は性行為、母子感染、注射器の使い回しなどです。
コンドームを用いない性行為や、よく知らない相手と性的接触をもってしまったなど、不安な行為があった場合にはいつでも検査を受けられたほうが良いでしょう。
症状が出ないと検査を受けない方も多いですが、感染していても症状が出ないことがあるため判断しにくいのが現実です。
【検査を受診できる機関】
スクリーニング検査は、全国の保健所で匿名・無料で受けることができます。
ただし、検査を受けられる日が固定されていたり、結果が出るまでに1週間程度かかる場合があります。
また、医療機関でもHIV検査を行っているところがあります。
費用はかかりますが、最短でその日のうちに結果が判明するなどのメリットがたくさんあります。
核酸増幅検査は郵送検診では検査できないため、医療機関で検査を行う必要があります。