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HPV(高リスク・低リスク)について

HPVとは、ヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma virus)の略で、現在までに100種類が確認されています。そのうち性器周辺に感染するウイルスは、40種類あるといわれています。

性的接触などで皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して細胞に感染します。性行為の経験がある約80%の女性が50歳までに一度は感染するといわれる程、ありふれたウイルスです。 2008年に、子宮頸がんや陰茎がんと関連があるということが判明して以降、HPVは高リスク型と低リスク型の2種類に分類されるようになりました。

高リスク型のHPVには、有名な16型や18型の他に、13種類程あるといわれています。 ただし、高リスク型HPVに感染したからといって必ずしもがんになるわけではありません。ほとんどの場合は一過性の感染であり、免疫力により自然に消失します。

高リスク型HPVに10年以上の長期間、持続的に感染した場合は、子宮頸がんや陰茎がんなどに進行する可能性が高まりますが、それでも必ずがんになるというわけではありません。

低リスク型HPVには、有名な6型や11型の他に、9種類程あるといわれています。 低リスク型HPVに感染すると、尖形コンジローマという良性のイボを形成することがあります。

ただし、低リスク型HPVに感染したからといって必ずしも尖形コンジローマになるわけではありません。ほとんどの場合は一過性の感染であり、免疫力により自然に消失します。

患者数の推移

低リスク型HPVの感染による、尖圭コンジローマの平成11年~30年の患者数の推移と、患者数の年齢別分布をグラフにしたものです。

平成25年までは男性・女性の患者数の増減はほぼ同じでしたが、それ以降は男性では増加傾向が、女性では減少傾向が見られ、全体的には緩やかに増加している状況です。

年齢別に見ると、男性は25~29歳、女性は20~24歳がピークとなっていますが、近年では初交年齢の低下に伴って、10代後半の女性にも感染が認められるようになってきたという報告もあります。

 

 

 

情報元:厚生労働省> (数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止

症状

高リスク型HPVの症状

性別 女性 男性
進行すると? 子宮頸がん 陰茎がん
症状
  • 不正出血、性交時の出血
  • おりもの異常
  • 痛み(自覚症状)はほとんどないが、
    進行すると排尿が困難に

陰茎がんの場合

通常、陰茎がんになっても痛みなどはほとんどありません。がんは最初、陰茎の皮膚から発生しますが、進行すると海綿体や尿道にも広がり、排尿が困難になることがあります。

がんが大きくなると組織の欠損(潰瘍)がみられます。 それから、がんは崩れて出血することがあります。陰茎がんは脚の付根(鼠径部)のリンパ節に転移しやすく、進行すると固くなり手で触れるようになります。

これがさらに大きくなるとリンパの流れが悪くなって、下肢がむくむことがあります。医師の診察を受けるのが遅れ、がんの早期発見の機会を逃すことが多いので、自覚症状があったらすぐに診察を受けることが大切です。

子宮頸がんの場合

不正出血や性交時の出血は、子宮がんの自覚症状のひとつです。これは、膣部に近い部分にがんができ、そこから出血がみられる場合に起こりやすくなります。しかし、不正出血といっても月経時のようにまとまった量の出血が起きるとは限りません。

大量の出血を起こすこともありますが、出血量がとても少なく、不正出血が起きていることに気付かないこともあります。 また、子宮頸がんの代表的な症状としておりものの異常があります。量が多くなったり、色が茶褐色様に変化したり、臭いが強くなったりします。

 

低リスク型HPVの症状

性別 女性 男性
潜伏期間 3週間~8か月 3週間~8か月
進行すると? 尖圭コンジローマ 尖圭コンジローマ
症状
  • 膣、肛門にいぼができる
    (膣内の自覚症状なし)
  • 尿道、肛門にいぼができる

低リスク型HPVに持続感染することによって、3週間~8ヶ月(平均2.8ヶ月)で性器や尿道・膣・肛門などに鶏のトサカあるいはカリフラワー状のイボ(尖形コンジローマ)が現れます。

一般的にイボに痛みはありませんが、人により軽度の痒みが出現することがあります。 イボには大量の低リスク型HPVが存在するため、性行為などの接触により容易にパートナーに感染させてしまうので注意が必要です。

また女性の場合、膣内の尖形コンジローマについては自覚症状がほとんどないため、感染に気づくことは非常に困難といえるでしょう。

 

感染経路

HPVの感染は、主に性交渉中に粘膜に生じた小さな傷からウイルスが侵入することにより起こります。性行為の経験がある約80%の女性が50歳までに一度は感染するといわれる程、ありふれたウイルスです。

そのため、過去に一度でも性交渉の経験がある人であれば誰でも感染の可能性があります。

一般に性感染症の予防にはコンドームが推奨されていますが、HPVは男性の陰茎・陰嚢・肛門周囲、女性の外陰部・肛門周囲など広い範囲に存在しているので、コンドームだけで予防することは不可能です。

稀なケースですが、サウナなどに敷いているタオルを介してHPVが感染することがあります。直前まで使用していたタオルなどの共有物を介して感染することも考えられますので、公共施設では感染の可能性も否定できません。

 

潜伏期間

高リスク型のHPVに感染しても特に目立った自覚症状はありません。 つまり子宮頸がんや陰茎がんを引き起こすHPVの潜伏期間は、現在のところはっきりとわかっていません。

ただし、10年くらいの潜伏期間を経て子宮頚部の細胞ががん化するケースもあります。潜伏期間の間でも少しずつ細胞が変化するため、子宮頸がん検診を受ければある程度の診断が可能です。パートナーが変わった時や、不特定多数と性行為している人物と接触した場合など、とにかく不安があれば積極的に検査を受けてください。

低リスク型のHPVに感染した場合には、尖圭コンジローマなどイボ(乳頭状腫瘍)の症状が現れます。潜伏期間は3週間から8ヵ月程といわれています。 パートナーが変わった時や、不特定多数と性行為している人物と接触した場合など、男性は性器や周辺の皮膚にイボがないか定期的に観察してください。

女性は自分で膣内を見ることが困難なため、性行為で感染する高リスク型HPVの可能性も考えて、子宮頸がん健診を定期的に受けてください。

少しでも気になることがあれば、早めに検査を受けるようにしてください。

 

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