淋病について
淋菌(Neisseria gonorrhoeae, gonococci)の感染による性感染症です。
淋病は感染者とのたった一度の性行為でも感染するほどの感染力を持っている性病の一つと言われていて、その感染率は約30%ほどあると言われています。
淋菌の特性上、感染する理由のほとんどが性行為による接触感染です。また淋菌は性器に感染するだけでなく、オーラルセックスなどで咽頭(のど)にも感染します。 淋菌に感染しても自覚症状がない場合も多く、感染者が気づかずに性行為を続けてさらに病気が拡大してしまうという問題もあります。
男性、女性ともに発見が遅れてしまう性病の一つですが、心当たりがある場合は早めの検査と定期的な検査を受けると良いでしょう。
患者数の推移
淋菌感染症の平成11年~令和3年の患者数の推移と、患者数の年齢別分布をグラフにしたものです。
最近10年間はほぼ横ばい傾向ですが、性器クラミジア感染症に次いで患者数が多い性病のひとつで、いずれの年も男性患者数が女性患者数を大幅に上回っています。
年齢別に見ると、男性・女性ともに20代の若年層で報告数が増えてきており、男性は25〜29歳、女性では20〜24歳の報告数が多くなっています。
なお、女性の場合は10代後半での罹患率が20代後半よりも高く、男性に比べて、より若い世代に感染者が分布していると言えます。
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症状
男性の尿道に淋菌が感染すると、個人差はありますが2~7日の潜伏期間を経てから、 排尿時に痛みが生じたり、黄色や白色の分泌物が現れたりします。
しかし最近では、症状が典型的でなく、粘液性の分泌液が出たりすることもあります。 場合によっては無症状に経過することも報告されています。
女性が感染した場合の症状は、男性と同じく排尿痛であったり、悪臭のするおりものが増えたり、おりものの色が黄色や緑色になったりといった症状が現れます。
また男性・女性ともに咽頭(のど)への感染では、90%の方がキャリアと呼ばれる感染しても症状が全くない状態で経過します。(無症状でも感染能力はあります)
咽頭(のど)に症状が現れた場合には、のどの違和感や痛み、発熱や頭痛、頸部リンパ節の腫れといった症状が現れます。
感染経路
淋病に感染してしまうのは性行為によるものです。
男性の場合は、菌が尿道から入り、女性の場合は菌が膣の奥まで入ってしまうことで感染してしまいます。性行為による感染が主ではありますが、最近では、オーラルセックスのような性器から喉へ、喉から性器へといった感染も多くなってきています。つまり淋病の感染経路は、キスを含むあらゆる性行為で感染することが想定されます。
また最近では男性が風俗に行き、感染してしまうケースも多く、感染してしまった男性からパートナーの女性に感染してしまうという事が多くなってきています。信頼できる特定のパートナーとの性行為以外は避けることが重要です。
潜伏期間
淋病の潜伏期間については2~ 7日といわれています。ただ潜伏期間については個人差がありますので、この期間中に症状が出なかったからといって感染していないということではありません。
尿道に細菌が感染した人のうち約50%は症状が出ないと言われており、咽頭の感染においては約90%の人は症状が出ないと言われております。
淋病の感染率は一回の行為で約30%とかなり高く、尿道や咽頭に症状が無い場合でも他人に感染させる状態(キャリアと呼びます)のため、感染している事に気づかずにパートナーへ感染させてしまうので注意が必要です。 少しでも気になることがあれば、早めに検査を受けるようにしてください。
少しでも気になることがあれば、早めに検査を受けるようにしてください。