PCR検査とは
PCR検査とは
PCR検査とはPolymerase Chain Reactionの略で
正式名称は「ポリメラーゼ連鎖反応」といい、ウイルスのDNAを増幅させて検出する検査となります。
PCR検査はそのままでは検体中のDNA量が少なすぎるため、機械で温度変化を行い、DNAを2倍、4倍、8倍・・・と指数関数的に増幅させ機械で検出出来ないほど、微量であったものを検出できる量にまで増幅させます。
※DNAとは:デオキシリボ核酸(DeoxyriboNucleic Acid)の略称。遺伝子の本体を構成する。
検査の方法としては、まず目的のDNAを抽出します。
このDNAは通常二重らせん構造なのですが、熱を加えることで2本鎖のDNAから1本鎖のDNAに分離することができます。
この1本鎖になったDNAにDNA合成酵素(DNAポリメラーゼ)を使って片側のDNAを合成していき元の2本鎖のDNAを作っていきます。
つまり1つだったDNAが2つに増えた事になります。これを繰り返すことで、DNAが増えていきます。
増えたDNAにマーカー(蛍光物質)をつけておき視覚的にもわかりやすくしてから検出しています。
本来は微量しかないDNAを増やすことで検出し易くし、一定の発光強度を超えた場合、陽性と判断するわけです。
ですが、コロナウイルスなどはRNAウイルスですので、逆転写(RNA→DNA)を行ってからPCR検査(RT-PCR検査)をしています。
RNAをDNAに逆転写する理由は、PCRはDNAを増幅することはできますがRNAは増幅できないからです。
RT-PCR検査とは
RT-PCR検査とは、Reverse Transcription Polymerase Chain Reactionの略で、Reverse Transcriptase(逆転写酵素)を使用する方法です。
基本的な原理はPCRと同じで、PCR装置や専用試薬を用いて行います。通常のPCRはDNAをサンプルとしてDNAを増幅させますが、RT-PCRは逆転写酵素を使用し、RNAをサンプルとしてDNAを増幅させる点が異なっています。
・新型コロナウイルス検出のための最も精度の高い(感度・特異度が高い)検査です
・検査手法・測定機器により精度や検査時間に差があります
(例)PCR法、LAMP法、TMA法・・・等
・PCR ⇒ DNAを増幅する反応
・RT-PCR ⇒ RNAを元にしてDNAを増幅する反応(コロナウイルス検査に利用されるのはこちら)
・検体の種類や採取方法、検査する時期により偽陰性が生じ得ます
・「陰性」の判断は検査した時点のみ有効です
・PCR検査が陰性(-)であったとしても、感染していないとはいいきれません。精度(正確性)はデータにより異なりますが、感度(感染者がPCR検査で陽性になる割合)は70~90%前後ともいわれています。
・コロナウイルス治癒後でも、治癒から検査までの期間が早いと死菌(ウイルスの遺伝子の死骸)の影響で稀に陽性(+)となる場合があるので注意が必要です。
このような場合は最寄りの医療機関等にご相談ください。