クラミジアについて
クラミジアは「クラミジアトラコマチス」という細菌に感染することで起こる性感染症です。今は性病として有名なのですが昔は目の病気の菌として知られていました。
性行為をする人ならば誰にでも感染する可能性があり、日本の中ではクラミジアが一番感染者の数が多い性病であると言われています。
潜伏期間は1~3週間程度で、この間はほとんど自覚症状が出ません。
そのため症状に気がつきにくく、すでに感染している人と気づかずに性行為をしてしまい、クラミジアに感染してしまう人が増えてしまいます。
また一番感染しやすいのは、コンドームを使わない性行為をする場合でその感染率は50%もあると言われています。2回のうち1回はクラミジアに感染してしまう確率があるという恐ろしい病気なのです。
正しい知識を身に着け、早期発見と予防に努めましょう。
患者数の推移
性器クラミジア感染症の平成11年~令和3年の患者数の推移と、患者数の年齢別分布をグラフにしたものです。
平成14年を境に減少傾向で、その後は横ばいの状態でしたが、令和に入り感染者数が増加しつつあります。依然として数ある性病の中でも、圧倒的に患者数が多いと言えます。
また、いずれの年も男性患者数を女性患者数が上回っているのが特徴です。
年齢別に見ると、男性・女性ともに20代の若年層で報告数が増えてきています。
男性は25〜29歳、女性では20〜24歳の報告数が多く、若年人口の減少に伴い、罹患率がより増加してきている可能性があります。
情報元:厚生労働省> (数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止
症状
女性の場合、黄色いおりものや、おりものの量が増えたり、普段と違う匂いがしたりといった症状が現れます。また、排尿の回数が増えたり、残尿感を感じたりする膀胱炎を発症することもあります。
しかし、約8割の方は無症状でいずれもごく軽い症状なのでまさか性病に感染しているとは思わず、そのまま見過ごして悪化させてしまうケースが少なくありません。
何の症状も出ない人も多く、ここがクラミジアの怖いところです。子宮頸管炎や卵管炎、卵管周囲炎といった症状を引き起こすことがある他、場合によっては不妊症につながることもあります。早急に治療を始めて下さい。
男性の場合も、全体の半数になんらかの自覚症状が現れますが、尿道が軽い炎症を起こして排尿時に少し痛みを感じたり、かゆくなったりする他、副睾丸のあたりが腫れるケースが多いです。
膿が出ることもありますが、水っぽくて白いものが少量のこともあり、やはり性病に感染したと気付くのは難しいでしょう。
喉にクラミジアが感染した状態を咽頭クラミジアと呼びますが、喉の腫れや痛み、発熱が主な自覚症状なので風邪との区別がつきにくいのが難点。また、咽頭クラミジアは9割の方が症状がでないと言われています。
感染経路
男性の場合は菌が尿道から入り、女性の場合は菌が膣の奥まで入ってしまうことでクラミジアに感染してしまいます。
性器同士が触れる性行為が一番感染する確率が高いのですが、最近ではオーラルセックスのように性器から口を通して喉へ菌が入ってしまう場合も多く、感染している人の口から、別の人の性器に菌が広がってしまうというケースが大変増えています。
また相手が咽頭クラミジアに感染していればディープキスでも感染の機会となり得ます。従って、クラミジアの感染経路としては、キスを含むあらゆる性行為が想定されることとなります。
一方で、クラミジアの原因菌である「クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)」は非常に生命力の弱い菌なので、性的な接触を持たない限りまず伝染ることはありません。100%の断言は出来ないにしても、温泉やプールなどの施設にて感染する可能性は極めて低いと言えます。
潜伏期間
クラミジアにうつってしまったら、その後はどうなるのでしょうか。 クラミジアの症状が体にでるまでの潜伏期間は、男性も女性も約3週間前後、早い人では1週間後に体に異変を感じます。
しかしそれぞれ症状を感じるまでの時間には、個人差があり、潜伏期間は3週間といってもそれを過ぎたら大丈夫ということではありません。 ご自分に感じる症状が少ないだけで、気がつかないで生活している可能性もあります。
また、潜伏期間に自分がクラミジアに感染していると気付くのは難しく、この時期は体内で「クラミジアトラコマチス」という菌が増殖を続けています。
感染力は約30~50%とかなり強力で、この間に無防備な性行為を繰り返し、他の人にクラミジアをうつしてしまうこともあります。 何の症状も出ていないからといって他人にうつらないわけではないので、性行為をする場合は「もしかして……」という意識を常に持ち続けることが大切です。
少しでも気になることがあれば、早めに検査を受けるようにしてください。